03 君のわがまま

「好きすぎるから別れる!!」

若い頃きみが言った言葉、僕は、意味不明で絶句した。

「だって、十数年後いっしょにいないなら悲しすぎるから、若い今別れるの」

そんな先のために、好きなのに別れるって

本当に理解できなかった。

その後、なんとか結婚し子供が生まれた。

幸せな生活だった。

そして十年の月日が流れたある日、君が・・・

「幸せすぎてこわい!」

十年ぶりの衝撃的な言葉だった。

「あとは不幸が訪れるだけかもしれない。

子供たちも結婚して出て行くし、

私たちもいつまでも元気でいられない。

十年後を考えるとこわいの!」

わかるような、わからないような話。

でも君は真剣。

『十年前は「好きだから別れる」って言ったよね。

十年後の今は?

だったら、十年後もっと幸せになるよう

二人で努力しようよ』

「じゃあ、私たちがいなくなっても

子供たちが住居に困らず、

結婚しても一緒に居られるように、

そして二人きりになったら

贅沢はしなくても安心して暮らせるようにしたい」

君は涙ながらに言った。

僕は答えた。

『それじゃあ家を買おう!二世帯住宅にも対応して、

後々子供たちが出て行っても、

人に貸せば家賃収入が入るような、

設計をしてもらって、君が好きな家を建てよう』

君は目を見開いて頷いた。

「うん!」

そして、「自由設計」の「ONLY ONE」へ行った。

・・・、ふと考えた。「妻に乗せられた・・・?」

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